製作著作 © 2007 Red Hat, Inc. 及び他の関連企業。この資料は http://www.opencontent.org/openpub/ で閲覧可能な公開出版ライセンス v1.0 に記載されている規約と条件に従ってのみ配布ができるものです。
次のトピックが本リリースノートに含まれます。
インストール関連の事項
機能の更新
カーネル関連の更新
ドライバーの更新
技術プレビュー
解決された問題
既知の問題
Red Hat Enterprise Linux 4.7 に関する更新の一部は、本リリースバージョンには含まれていないかも知れません。Red Hat Enterprise Linux 4.7 リリースノートの最新バージョンは以下の URL でも閲覧することができます:
このセクションには、Red Hat Enterprise Linux インストールと Anaconda インストールプログラムに特有な情報が含まれています。
Red Hat Enterprise Linux 4 のあるマイナーバージョン (4.5 や 4.6 など) から Red Hat Enterprise Linux 4.7 にアップデートする場合は、Web ユーザーインターフェースまたは Red Hat Network Satellite から Red Hat Network を使用することを推奨します。
ネットワークに接続できないシステムをアップグレードする場合は、Anaconda の "Upgrade" 機能を使用してください。ただし、Anaconda では追加レポジトリまたはサードパーティアプリケーションの依存関係などの問題を処理する機能が制限されています。また、Anaconda はインストールエラーを対話的ではなくログファイルに報告します。
したがって、Red Hat はオフラインのシステムのアップグレード時にアップグレード設定を最初にテストおよび検証することをお薦めします。アップグレードを実稼働環境に適用する前に更新ログにエラーがないかよく確認してください。
Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間のインプレースアップグレード (たとえば、Red Hat Enterprise Linux から Red Hat Enterprise Linux 4.7 へのアップグレード) はサポートされていません。これは Anaconda の "Upgrade" オプションで実行できますが、アップグレードの結果正常に動作することは保証されません。メジャーリリース間のインプレースアップグレードでは、すべてのシステム設定、サービスおよびカスタム設定が保持されるわけではありません。このため、Red Hat はメジャーバージョン間のアップグレードを行う場合はフレッシュインストールを実行することを強くお薦めします。
Red Hat Enterprise Linux 4.7 CD-ROM の内容をコピーする場合は(例、ネットワークベースのインストール用)、オペレーティングシステムの CD-ROM だけをコピーするよう注意してください。補助 CD-ROM や一連の製品 CD-ROM はコピーしないでください。これらは Anaconda が正しく動作するために必要となるファイルを上書きしてしまいます。
これらの CD-ROM は Red Hat Enterprise Linux のインストールが終了してからインストールします。
Red Hat Enterprise Linux 4 (およびすべてのアップデート) に同梱されている GRUB のバージョンはソフトウェアミラーリング (RAID1) をサポートしません。したがって、Red Hat Enterprise Linux 4 を RAID1 パーティションにインストールする場合、ブートローダーはマスターブートレコード (MBR) ではなく第 1 ハードドライブにインストールされます。これにより、システムはブートできなくなります。
Red Hat Enterprise Linux 4 を RAID1 パーティションにインストールする場合は、最初に MBR から既存のブートローダーを削除する必要があります。
フラットパネルモニタと一部の ATI カードを使用するシステムに Red Hat Enterprise Linux 4 をテキストモードでインストールする場合は、画面領域がずれて表示されることがあります。そのような場合は、画面の一部が表示されません。
この場合は、パラメータ linux nofb を使用してインストールを実行してください。
Red Hat Enterprise Linux 4.6 からこのリリースにアップグレードする場合は、minilogd が複数の SELinux 拒否エラーをログに報告することがあります。これらのエラーログは深刻ではなく、無視しても問題ありません。
SHA-256 と SHA-512 のハッシュ関数を使用したパスワードハッシュがサポートされるようになりました。
インストールされたシステムで SHA-256 または SHA-512 に切り替えるには、authconfig --passalgo=sha256 --kickstart または authconfig --passalgo=sha512 --kickstart を実行します。既存のユーザーアカウントは、パスワードが変更されるまで影響を受けません。
新しくインストールされたシステムでは、SHA-256 または SHA-512 の使用は kickstart インストールに対してのみ設定できます。設定するには、kickstart コマンド auth の --passalgo=sha256 オプションまたは --passalgo=sha512 オプションを使用し、--enablemd5 オプションを削除します (このオプションが存在する場合)。
インストールで kickstart を使用しない場合は、上記で説明したように authconfig を使用し、インストール後に作成されたすべてのパスワード (root パスワードを含む) を変更します。
これらのパスワードハッシュアルゴリズムをサポートするために libuser、pam、および shadow-utils に適切なオプションが追加されました。authconfig は必要なオプションを自動的に設定するため、通常はオプションを手動で変更する必要がありません。
crypt_style オプションの新しい値および hash_rounds_min と hash_rounds_max 両方の新しいオプションが、/etc/libuser.conf
の [defaults] セクションでサポートされるようになりました。詳細については、/usr/share/doc/libuser-
を参照してください。[libuser バージョン]
/README.sha
新しいオプション sha256, sha512 と rounds が pam_unix
PAM モジュールによってサポートされるようになりました。詳細については、/usr/share/doc/pam-
を参照してください。[pam バージョン]
/txts/README.pam_unix
/etc/login.defs
の以下の新しいオプションが shadow-utils によってサポートされるようになりました。
ENCRYPT_METHOD — 使用する暗号化メソッドを指定します。有効な値は DES、MD5、SHA256、SHA512 です。このオプションが定義されている場合は、MD5_CRYPT_ENAB が無視されます。
SHA_CRYPT_MIN_ROUNDS と SHA_CRYPT_MAX_ROUNDS — ENCRYPT_METHOD が SHA256 または SHA512 に設定されている場合に使用するハッシュの丸め桁数を指定します。いずれのオプションも設定されてない場合は、デフォルト値が glibc によって選択されます。オプションが 1 つだけしか設定されていない場合は、暗号化メソッドにより丸め桁数が指定されます。
両方のオプションが使用されている場合は、丸め桁数がランダムに選択される包含間隔を指定します。選択される丸め桁数は包含間隔 [1000, 999999999] に制限されます。
グループ OpenFabrics Enterprise Distribution が comps.xml
に含まれるようになりました。このグループには、高パフォーマンスネットワークとクラスタリング (InfiniBand や Remote Direct Memory Access など) を実現するために使用されるコンポーネントが含まれます。
このアップデートは、完全仮想化されたゲストのパフォーマンスを向上させる準仮想化されたブロックデバイスとネットワークドライバの使用を実装します。また、1 つのゲストドメインごとに 3 つ以上の仮想ネットワークインターフェース (VNIF) を使用できるようになりました。
divider=[値]
オプションは、同じ可視の HZ タイミング値をユーザースペースアプリケーションに保持しつつシステムクロックレートを調整することを可能にするカーネルコマンドラインパラメータです。
divider=[値]
オプションを使用すると、CPU オーバーヘッドを減少し、タイミング操作とプロファイリングの正確性を犠牲にすることによって効率性を向上できます。これは、仮想化環境と特定のアプリケーションで有用です。
標準的な 1000Hz クロックに有用な [値]
:
2 = 500Hz
4 = 250Hz
10 = 100Hz (以前のリリースの Red Hat Enterprise Linux で使用されていた値)
仮想化カーネルはデフォルトで 250HZ クロックを使用することに注意してください。したがって、dom0 ゲストまたは準仮想化ゲストのいずれかで divider=[値]
オプションは必要ありません。
Firefox はバージョン 3.0 に更新されました。この更新には複数の修正や拡張機能が含まれますが、主なものは以下のとおりです。
Firefox ブラウザウィンドウが開いたときに設定ホームページが正常にロードされるようになりました。
文字列 "do" を検索したときに Firefox がクラッシュしなくなりました。
64 ビットモードの Firefox が ext JavaScript ライブラリを正常にロードするようになりました。Firefox の以前のバージョンでは、このライブラリを使用する Web ベースアプリケーションでロードに非常に長い時間がかかるか、まったくロードが行われませんでした。
以前は Firefox が jar:URI スキームを処理するときにクロスサイトスクリプトの欠陥が存在しました。この欠陥により悪意を持った Web サイトがユーザーに対してスクリプト攻撃をしかけることが可能でした。この更新でこのセキュリティ上の問題が修正されました。
以前は Firefox が特定の誤った形式のコンテンツを処理するときに複数の欠陥が存在しました。このようなコンテンツを含む Web サイトにより、Firefox がクラッシュしたり、Firefox を実行しているユーザーとして任意のコードが実行されることがありました。この更新ではこのセキュリティ上の問題は修正されています。
以前は Firefox が Web ページ上の window.location プロパティを設定するときに競合が発生していました。この欠陥により、Web ページは任意の Referer ヘッダを設定でき、この結果、Referer ヘッダにのみ依存する Web サイトがクロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF) 攻撃を受ける危険性がありました。この更新ではこの問題が修正されています。
外部ディスプレイが接続されたラップトップで Firefox が正常にレンダリングされるようになりました。
ただし、Firefox のこの更新は現在使用されているすべての JavaScripts または Firefox プラグインと完全後方互換性を持たないことに注意してください。
また、Red Hat は複数の大規模な商業 Web アプリケーションでこの Firefox の更新で解消されたいくつかのクロスサイトスクリプトの欠陥が存在することを確認しました。これらのスクリプトの欠陥については、以下のリンクで説明されています。
結果的に、これらの商業 Web アプリケーションを使用すると、一部の機能が失われることがあります。この問題は、Firefox Error Console ( = > ) で追加の JavaScript エラーが発生することにより確認できます。Red Hat は現在ベンダーと協力してこの問題の解消に取り組んでいます。
iostat がパーティションのステータスと入出力パフォーマンスに関する統計を出力するようになりました。
このリリースの I/O アカウンティングが、より包括的なコア統計を出力するようになりました。これは、ru_inblock と ru_outblock (すでにアップストリームで使用されている) の使用を実装することによって実現されています。
show_mem() の出力にページキャッシュページの合計数が含まれるようになりました。これにより、コンソールと /var/log/messages
に送られるデバッグ情報がより有用になります (特に、out-of-memory による kill の実行中)。
O_ATOMICLOOKUP フラグが削除されました。このフラグは、現在のユーザースペースデーモンによって使用されていません。また、O_ATOMICLOOKUP によって通常使用されるビットは別のフラグ (O_CLOEXEC) によって使用されるため、このビットの共有から生じる競合を回避するために O_ATOMICLOOKUP が削除されました。
カーネルがプロセス制限情報を /proc/
(ここで、[PID]
/limits[PID]
はプロセス ID) にエクスポートするようになりました。
パラメータ TCP_RTO_MIN を最大 3000 ミリ秒に設定できるようになりました。以前のリリースでは、TCP_RTO_MIN はチューニング可能なカーネルパラメータではありませんでした。
この更新により、TCP/IP の柔軟性が高まり、アプリケーションがワイヤレス伝送 (たとえば、携帯電話の伝送レート) で通信を再開できるようになります。
TCP_RTO_MIN パラメータは ip route を使用して設定できます。たとえば、TCP_RTO_MIN を最大 3000 ミリ秒に設定するには、以下のコマンドを実行します。
ip route change [route]
dev eth0 rto_min 3s
ip route の詳細については、man ip を参照してください。
udp_poll() 関数が実装されました。この更新により、システムコール select() から間違って真の値が返される可能性が少なくなります。
32 ビットの inode 番号を有効/無効にできます。このためには、カーネルパラメータ nfs.enable_ino64= を使用してください。nfs.enable_ino64=0 と指定すると、NFS クライアントが readdir() システムコールと stat() システムコールに (完全な 64 ビットの inode 番号の代わりに) 32 ビットの inode 番号を返すよう指示します。
デフォルトでは、このカーネルパラメータは実際の 64 ビットの inode 番号を返すよう設定されます。
NFS の書き込みをローメモリに制限できるようになりました。このためには /proc/sys/vm/nfs-writeback-lowmem-only
を 1 (デフォルトでは 0) に設定してください。
以前のリリースでは、この機能が含まれていませんでした。このため、NFS の読み取りパフォーマンスが低下することがありました (特にシステムが大量の NFS 読み取り/書き込み要求を検出した場合)。
dirty_ratio と dirty_background_ratio の計算でマップファイルページを使用するかどうかを設定できるようになりました。このためには、/proc/sys/vm/write-mapped
を 1 (デフォルトでは 0) に設定します。
/proc/sys/vm/write-mapped
を 1 に設定すると、高速の NFS 読み取りパフォーマンスを実現できます。ただし、この場合は out-of-memory が発生する可能性があります。
CIFS がバージョン 1.50c に更新されました。この更新により、OS/2 共有をマウントする機能を含む複数の拡張機能とバグ修正が適用されます。
コアダンプマスキングがサポートされるようになりました。これにより、コアダンプファイルの作成時にコアダンププロセスがプロセスの共有メモリセグメントをスキップできるようになります。また、この機能により、各プロセスに対して匿名共有メモリをダンプするかどうかを選択できます。
プロセスがダンプされると、コアファイルのサイズが制限されていない限りすべての匿名メモリがコアファイルに書き込まれます。場合によっては、一部のメモリセグメント (巨大な共有メモリなど) をダンプしたくないことがあるかもしれません。また、個別ファイルの他にファイルを使用するメモリセグメントをコアファイルに保存することもできます。
これらの目的のため、/proc/
を使用して、ダンプする [pid] プロセスのメモリセグメントを指定できます。[pid]
/coredump_filtercoredump_filter
はメモリタイプのビットマスクです。ビットマスクが設定されている場合は、対応するメモリタイプのメモリセグメントがダンプされます。
以下のメモリタイプがサポートされています。
bit 0 — 匿名プライベートメモリ
bit 1 — 匿名共有メモリ
bit 2 — ファイルを使用するプライベートメモリ
bit 3 — ファイルを使用する共有メモリ
[pid] にビットマスクを設定するには、対応するビットマスクを /proc/
に設定します。たとえば、プロセス 1111 に関連付けられたすべての共有メモリセグメントのダンプを回避するには、以下のコマンドを実行します。[pid]
/coredump_filter
echo 0x1 > /proc/1111/coredump_filter
coredump_filter
のデフォルト値は、すべての匿名メモリセグメントをダンプするよう指定する 0x3 です。また、ビットマスクステータスに関係なく、MMIO ページ (フレームバッファなど) はダンプされず、vDSO ページは常にダンプされることに注意してください。
新しいプロセスが作成されると、プロセスは親プロセスからビットマスクステータスを継承します。したがって、Red Hat はプログラムを実行する前に coredump_filter
を設定することをお薦めします。このためには、プログラムを実行する前に echo を使用して必要なビットマスクを /proc/self/coredump_filter
に送ります。
Oprofile が Greyhound ハードウェアでイベントベースのプロファイリングをサポートするようになりました。
AMD ATI SB800 SATA コントローラがサポートされるようになりました。
40 ピン IDE ケーブルを使用する AMD ATI SB600 コントローラと SB700 SATA コントローラがサポートされるようになりました。
AMD ATI SB700 で 64 ビット直接メモリアクセス (DMA) が サポートされるようになりました。
Intel ICH10 をサポートするのに必要な PCI デバイスの ID が追加されました。
i2c-piix4
カーネルモジュールが AMD SBX00 SMBus をサポートするようになりました。
i5000_edac
: Intel 5000 chipsets をサポートするドライバが追加されました。
i3000_edac
: Intel 3000 3010 チップセットをサポートするドライバが追加されました。
Intel Tolapai チップセットの正しいキャッシュ情報が追加されました。これにより、ハードウェアの一覧が正しく表示されます。
wacom
: 以下の入力デバイスをサポートするようドライバが更新されました。
Intuos3 12x19
Intuos3 12x12
Intuos3 4x6
Cintiq 20wsx
i2c-i801
: Intel Tolapai をサポートするドライバ (対応する PCI ID とともに) が更新されました。
sata_svw
: Broadcom HT1100 チップセットをサポートするドライバが更新されました。
libata
: ブラックリストから Hitachi ドライバを削除することにより Native Command Queuing (NCQ) を有効にするようドライバが更新されました。
ide
: ide
ドライバを無効にするために使用できるカーネル PCI モジュールパラメータ ide=disable を含むようドライバが更新されました。
psmouse
: cortps プロトコルを使用する入力デバイスを適切にサポートするようドライバが更新されました。これらの入力デバイスの例としては、Cortron が開発した 4 つボタンのマウスやトラックボールなどがあります。
eHEA
: アップストリームバージョンに対応するようドライバが更新されました。この更新により、IBM i6 と p6 のサポートを向上させる複数のアップストリームバグ修正と拡張機能が適用されます。以下のものがあります。
ネットワークモジュールとしての Large Receive Offload (LRO) サポートの追加
netdump モジュールと netconsole モジュールをサポートするのに必要な poll_controller の追加
zfcp
: アップストリームバグ修正を適用するようドライバが更新されました。この更新により、複数のバグ修正が適用されます。主なものは以下のとおりです。
ファイバチャンネルのホット接続を解除した後にアダプタがマルチパス環境で再びオープンされたときに、影響を受けるパスがエラーとして表示されなくなりました。この更新により、関連するアダプタフラグがこのようなイベント発生時に正しく消去されるようになりました。
fsf 要求のタイムアウト時に正常なリカバリ後にアダプタがエラーとして表示されなくなりました。アダプタが正常に有効化されたときに ZFCP_STATUS_COMMON_ERP_FAILED フラグが消去されるようになりました。
アダプタが正常に再び有効化されたときに BOXED フラグが消去されるようになりました。
SCSI スタックと ERP スレッド間でデッドロックを起こすバグ (場合によってはあるデバイスを登録するときに発生します) が修正されました。
chccwdev を使用してマルチパス環境でデバイスを "オンライン" に指定するときに、すべてのパスで I/O がストールしなくなりました。また、chccwdev を使用して同じデバイスをオンライン状態に戻すときに、引き続き同じパスチェッカーが使用されます。
bnx2x
: Broadcom 5710 チップセット上のネットワークアダプタをサポートするドライバが追加されました。
cxgb3
: Chelsio 10G イーサネットコントローラと OFED をサポートするようドライバが更新されました。
realtek
: Realtek RTL8111 と RTL8168 PCI-E ネットワークインターフェースカードをサポートするようドライバが更新されました。
e1000
: Virtual Connect アーキテクチャをサポートするのに必要な代替 MAC アドレスをサポートするようドライバが更新されました。
e1000e
: ドライバが最新のアップストリームバージョンに更新されました。この更新により、ICH9m と 82574L Shelter Island ネットワークインターフェースカードのサポートが提供され、複数のアップストリーム修正も適用されます。
bnx2
: ドライバが 1.6.9 に更新されました。これにより、複数のアップストリームの変更が適用され、Broadcom 5709s チップセットのサポートが提供されます。
igb
: ドライバがアップストリームバージョン 1.0.8-k2 に更新されました。このドライババージョンは、Intel 82575EB (Zoar) チップセットをサポートします。
s2io
: Neterion Xframe-II 10GbE ネットワークアダプタをサポートするためにドライバがバージョン 2.0.25.1 に更新されました。
tg3
: ドライバがアップストリームバージョン 3.86 に更新されました。この更新により、以下のものを含む複数の修正と拡張機能が適用されます。
irq_sync の競合の問題が修正されました。
Auto-MDI が有効になりました。
forcedeth
: ドライバがアップストリームバージョン 0.61 に更新されました。これにより、以下のチップセットのサポートが提供されます。
MCP73
MCP77
MCP79
また、この更新により、WOL、MAC アドレス指定、tx タイムアウトの問題に関する複数のバグ修正が提供されます。
stex
: ドライバがバージョン 3.6.0101.2 に更新されました。この更新により、複数のアップストリーム拡張機能とバグ修正が適用されます。
mpt fusion
ドライバファミリがバージョン 3.12.19.00 に更新されました。この更新により、以下のような複数の拡張機能と修正が適用されます。
キューの深さを変更するチューニングパラメータが mptsas.c
、mptspi.c
、および mptfc.c
に含まれるようになりました。これらのパラメータは mptsas_device_queue_depth、mptspi_device_queue_depth、および mptfc_device_queue_depth です。これらのチューニングパラメータのデフォルト値は 48 です。
メモリサイズが 36GB 以上のシステムで、最大 1,078 個の scatter/gather エントリがサポートされるようになりました。
フラグ ioc->broadcast_aen_busy が追加されました。このフラグは mptsas_broadcast_primative_work スレッドが実行されているときに設定されます。追加の aen イベントが発生すると、ioc->broadcast_aen_busy フラグが設定されている間このイベントが無視されます。
また、ioc->broadcast_aen_busy フラグが設定されていると、SCSI_IO コマンドがフリーズし、後で再びキューに格納されます。このフラグは、mptsas_broadcast_primative_work スレッドの処理が完了すると消去されます。
ドライバのアンロード時に sync cache コマンドが発行されたときに内部コマンドタイムアウトルーチンが Diagnostic Reset を発行し、ハング状態が解消されるようになりました。この機能は、2 つのタイムアウトルーチンを実装することによって追加されます。一方のタイムアウトルーチンはドメイン検証に関連付けられないすべての内部コマンドを処理し、もう一方はドメイン検証に関連付けられたコマンドのみを処理します。
ドメイン検証タイムアウトルーチンが、ターゲットリセットではなくバスリセットを発行するようになりました。
Task Management 要求 (IOCTL インターフェースを使用) が完了すると、関連付けられた IOCTL タイマーが削除されるようになりました。これにより、タイマーが期限切れしなくなります。タイマーが期限切れになると、Task Management 要求が正常に完了した場合でもホストがリセットされます。
qla2xxx
: ドライバがバージョン 8.02.00-k5 に更新されました。qla2xxx
のこの更新により、以下のものに対するサポートが追加されます。
ファイバチャネルデバイスに関するアクティビティ情報を提供する QLogic ホストバスアダプタメカニズムである EHAFT
8GB のファイバチャネルデバイス
また、この更新により、ドライバがすでに LOOP_DEAD 状態のループに対して待機するのを回避するバグ修正を含むアップストリームからの複数の改善が適用されます。
qla3xxx
: ドライバがバージョン v2.03.00-k4-rhel4.7-01 に更新されました。この更新により、qla3xxx
ドライバにより所有されるインターフェースが VLAN で使用された場合に、受信完了が処理されず TCP/IP スタックに渡されるバグが修正されました。
qla4xxx
: ドライバがバージョン 5.01.03-d0 に更新されました。これにより、以下の修正が適用されます。
同じターゲットで利用可能な各ポートに対してセッションが作成されるようになりました。また、qla4xxx
が同じターゲットに対して再ログイン要求を発行できない (フェイルオーバー後またはケーブルを引き抜いた後) バグが修正されました。
qla4xxx
の以前のバージョンでは、I/O キューの深さが "queue full" エラーによって影響を受けませんでした。このバージョンでは、"queue full" エラーが発生したときにキューの深さが適切に調整されるため、I/O エラーの処理が向上します。したがって、各ターゲットのすべての LUN に対するキューの深さも制限されます。
SCSI 機能がファームウェアの初期化前に有効になるようになりました。このバグ修正により、SCSI 機能はファームウェアの初期化が完了する前に発生したソフトリセットや重大なエラーの通知を受けます。
オペレーティングシステムが "non-active" から "active" の状態に移行する一部のターゲットをスキャンするのを防ぐバグ (ドライバの初期化中) が修正されました。
CCISS
: ドライバがバージョン 3.6.20-RH1 に更新されました。この更新により、今後提供される SAS/SATA コントローラのサポートが提供され、以下の変更 (一部) も適用されます。
I/O コントロール sg_io が追加されました。これにより、マルチパスのサポートを拡張するために ioctl が提供されます。
大量のドライバがシステムにインストールされたときにシステムがクラッシュするのを回避するよう /proc/driver/cciss
エントリが変更されました。
cciss
ドライバの READ_AHEAD 設定が削除されました。cciss
ドライバがデフォルト値 256 のブロックレイヤを使用するようになりました。テストの結果、READ_AHEAD=1024 と設定すると、安定したパフォーマンスの向上が保証されず、場合によってはシステムがハングすることがわかっています。
megaraid_sas
: MegaRAID モードで稼働する LSI 1078 チップセットをサポートするようドライバがバージョン 3.18 に更新されました。また、以下のものを含む複数のバグ修正が適用されます。
MFI_POLL_TIMEOUT_SECS が 60 秒になりました (10 秒から増えました)。この変更は、INIT コマンドに応答するために最大 60 秒かかるファームウェアに対応するためです。
フレーム数の計算が原因で頻繁なチップのリセットとコマンドのタイムアウトを引き起こすバグが修正されました。この更新により、ドライバが要求に応じて正しいフレーム数をファームウェアに送るようになりました。
ポーリングをサポートするようモジュールパラメータ poll_mode_io が追加されました。
arcmsr
: ドライバがバージョン 1.20.00.15.rh に更新されました。この更新により、複数のバグ修正とマイナーな拡張が適用されます。また、以下の SATA RAID アダプタのサポートも提供されます。
ARC1200
ARC1201
ARC1202
技術プレビュー 機能は現在、Red Hat Enterprise Linux 4.7 サブスクリプションサービスでは機能的に完全でなく、サポートされていません。これは一般的に実稼動使用には適切ではありません。しかし、これらの機能はお客様への便宜として提供されており、広範囲の利用度を提供します。
お客様はこれらの機能が非実稼動環境では役に立つことがお判りになるでしょう。お客様はこれらが完全サポートになる前に自由に技術プレビューへのフィードバックと機能提案を提供して頂けます。重大なセキュリティ問題には Errata が提供されます。
技術プレビュー機能の開発期間中に、追加のコンポーネントがテスト用に公共使用できるようになることがあります。Red Hat では、技術プレビュー機能が将来のリリースで完全サポートになるようにすることを目標としています。
Systemtap はフリーソフトウェア(GPL) インフラストラクチャを提供して Linux システム稼動についての情報収集をより簡単にするようにします。これが、パフォーマンスや機能問題の解析に役に立ちます。systemtap の支援で、開発者は他の方法では情報収集が必要となる退屈で混乱を招く、器具調査、再コンパイル、インストール、再起動の手順をくり返す必要がなくなります。
GNU Compiler Collection (gcc-4.1
) はこのリリースでは、まだ技術プレビューとして含まれています。 このコンパイラは元来、Red Hat Enterprise Linux 4.4 の技術プレビューとして紹介されたものです。
gcc-4.1
に関する詳細情報には、http://gcc.gnu.org/ にあるプロジェクトウェブサイトを参照して下さい。 gcc-4.1.2
の為の詳解マニュアルは http://gcc.gnu.org/onlinedocs/gcc-4.1.2/gcc/ でご覧になれます。
OpenOffice 2.0 は今回、このリリースでは技術プレビューとして 含まれています。このセットは、ODF、PDF 機能、デジタル署名と形式/インターフェイスに 関するより幅広い互換性のサポートを含む数種の改良を特徴としています。これに加えて、 OpenOffice 2.0 スプレッドシートはピボット表サポートを 強化しており、今回は最大 65,000 列まで処理することができます。
OpenOffice 2.0 に関する詳細情報については、 http://www.openoffice.org/dev_docs/features/2.0/index.html を参照してください。
autofs5 は、今回のリリースでは技術プレビューとして 含まれています。autofs のこの新バージョンは、複数ベンダー環境での 長期間存在した相互操作性問題をいくつか解決しています。autofs5 は また、以下のような強化も特徴としています。
ファイルシステム階級内のどのポイントでもファイルシステムを自動的にマウントする為の メカニズムを提供するダイレクトマップサポート
怠慢な mount と umount の サポート
新しい設定ファイル /etc/autofs_ldap_auth.conf
を通じた LDAP サポートの強化
nsswitch.conf
使用の完全実装
ダイレクトマップ用の複数マスターマップエントリー
特定のマップ内容が autofs マスターマップ内に含まれるようにする マップ含有の完全実装
現時点で、autofs5 マスターマップ字句解析は、 マウントポイントやマップ仕様の中の引用文字列を正しく構文解析できません。 そのため、引用文字列はマップそのものの中に書き込む必要があります。
この更新では、autofs
がまだデフォルトとしてインストール されており実行されています。そのため、autofs5 拡張機能を 使用したい場合は、autofs5
パッケージを手動でインストールする 必要があります。
autofs
と autofs5
の両方とも インストールすることができます。しかし、その1つだけを自動マウントの提供に 使用する必要があります。autofs5 をインストールして、 それを自動マウンターとして使用するには、以下の手順に従います:
root としてログインして、service autofs stop を使って autofs サービスを停止します。
コマンド chkconfig autofs off を使って autofs サービスを無効にします。
autofs5
パッケージをインストールします。
コマンド chkconfig autofs5 on を使って、 autofs5 を有効にします。
コマンド service autofs5 start を使って autofs5 を開始します。
autofs5 に関する詳細情報には、以下の man ページを参照してください(autofs5
パッケージをインストールの後):
autofs5(5)
autofs5(8)
auto.master.v5(5)
automount5(8)
詳細情報には、/usr/share/doc/autofs5-
を参照してください。<version>
/README.v5.release
systool などのアプリケーションが /sys/class/scsi_host/host
(Emulex <scsi ホスト番号>
/mboxlpfc
ドライバによって生成される) を読み取るときに無害の "Bad State" メッセージがコンソール出力されず、システムログファイルにも記録されなくなりました。
カーネルがブート中にシリアルポートに出力する前に Data Terminal Ready (DTR) シグナルを明示するようになりました。一部のデバイスでは DTR の明示が必要です。このようなデバイスのシリアルコンソールにカーネルブートメッセージが出力されるようになりました。
Red Hat Enterprise Linux 4.6 では、シリアルコンソールからオペレーティングシステムをインストールしたときにログインプロンプトが表示されないことがありました。このリリースでは、この問題が修正されました。
openmpi
と lam
の以前のバージョンのバグにより、これらのパッケージをアップグレードできないことがあります。この同じバグにより、すべてのパッケージのアップグレード時に up2date が失敗することがあります。
openmpi
または lam
をアップグレードしようとするとこのバグにより以下のエラーが発生します。
error: %preun(openmpi-[version]
) scriptlet failed, exit status 2
また、up2date を使用してすべてのパッケージをアップブレードしようとしたときにこのバグにより以下のエラーが発生します (/var/log/up2date
に記録されます)。
up2date Failed running rpm transaction - %pre %pro failure ?.
したがって、これらのエラーを回避するには最初に openmpi
と lam
の古いバージョンを手動で削除する必要があります。このためには、以下のように rpm コマンドを使用します。
rpm -qa | grep '^openmpi-\|^lam-' | xargs rpm -e --noscripts --allmatches
設定されたストレージシステムで LUN が削除された場合は、ホストで変更内容が反映されません。このような場合は、LUN が不整合になるため、 dm-multipath が使用されているときに lvm コマンドが永久的にハングします。
この問題を回避するには、すべてのデバイスと不整合な LUN に固有の /etc/lvm/.cache
の mpath リンクのエントリを削除します。これらのエントリが何を示すのかを確認するには、以下のコマンドを実行します。
ls -l /dev/mpath | grep <stale LUN>
たとえば、<stale LUN>
が 3600d0230003414f30000203a7bc41a00 の場合は、以下の結果が表示されます。
lrwxrwxrwx 1 root root 7 Aug 2 10:33 /3600d0230003414f30000203a7bc41a00 -> ../dm-4 lrwxrwx--rwx 1 root root 7 Aug 2 10:33 /3600d0230003414f30000203a7bc41a00p1 -> ../dm-5
これは、3600d0230003414f30000203a7bc41a00 が dm-4 と dm-5 の 2 つの mpath リンクにマップされていることを示します。
したがって、/etc/lvm/.cache
から以下の行を削除する必要があります。
/dev/dm-4 /dev/dm-5 /dev/mapper/3600d0230003414f30000203a7bc41a00 /dev/mapper/3600d0230003414f30000203a7bc41a00p1 /dev/mpath/3600d0230003414f30000203a7bc41a00 /dev/mpath/3600d0230003414f30000203a7bc41a00p1
HA-RAID 2 システムの設定では、2 つの SAS アダプタが 2 つのシステムに接続され、共有 SAS ディスクドロワーに接続されます。両方の SAS アダプタで Primary に Preferred Dual Adapter State 属性を設定すると、競合状態が発生し、2 つの SAS アダプタ間でファイルオーバーが永久的に発生します。これは、1 つの SAS アダプタしか Primary に設定できないためです。
このエラーを回避するには、一方の SAS アダプタを Primary に設定する必要がある場合は、もう一方の SAS アダプタの Preferred Dual Adapter State を None に設定します。
hp_sw
カーネルモジュールを使用する必要がある場合は、更新された device-mapper-multipath
パッケージをインストールしてください。
また、アクティブ/パッシブモードを適切に使用し、Linux マシンからの接続を識別するには、HP アレイを正しく設定する必要があります。このためには、以下の手順に従います。
show connections を使用して各接続の WWPN (World Wide Port Name) を調べます。2 つの接続がある HP MSA1000 アレイに対する show connections の出力例は以下の通りです。
Connection Name: <Unknown> Host WWNN = 200100E0-8B3C0A65 Host WWPN = 210100E0-8B3C0A65 Profile Name = Default Unit Offset = 0 Controller 2 Port 1 Status = Online Connection Name: <Unknown> Host WWNN = 200000E0-8B1C0A65 Host WWPN = 210000E0-8B1C0A65 Profile Name = Default Unit Offset = 0 Controller 1 Port 1 Status = Online
以下のコマンドを使用して各接続を適切に設定します。
add connection [接続名]
WWPN=[WWPN ID]
profile=Linux OFFSET=[unit offset]
[接続名]
は任意に設定できます。
示された例を使用する場合、適切なコマンドは以下のようになります。
add connection foo-p2 WWPN=210000E0-8B1C0A65 profile=Linux OFFSET=0
add connection foo-p1 WWPN=210100E0-8B3C0A65 profile=Linux OFFSET=0
各接続が適切に設定されていることを確認するために show connections を再び実行します。示された例の場合、正しい設定は以下のようになります。
Connection Name: foo-p2 Host WWNN = 200000E0-8B1C0A65 Host WWPN = 210000E0-8B1C0A65 Profile Name = Linux Unit Offset = 0 Controller 1 Port 1 Status = Online Connection Name: foo-p1 Host WWNN = 200100E0-8B3C0A65 Host WWPN = 210100E0-8B3C0A65 Profile Name = Linux Unit Offset = 0 Controller 2 Port 1 Status = Online
Red Hat は、EXT3 ファイルシステムで quota を使用することをお薦めしません。これは、場合によってはデッドロックが発生するからです。
テストの結果、kjournald が quota を実行しているときに使用される一部の EXT3 固有のコールアウトをブロックする場合があることがわかっています。したがって、必要な変更が大規模になるため Red Hat はこの問題を Red Hat Enterprise Linux 4 で修正することを計画していません。
この問題は Red Hat Enterprise Linux 5 では存在しません。
Mellanox MT25204 のハードウェアテストの結果、ある高ロードの状況で内部エラーが発生することがわかっています。ib_mthca
ドライバがこのハードウェアに関する重大なエラーを報告した場合は、通常そのエラーはユーザーアプリケーションによって生成された未完了の作業要求の数に対する不十分な完了キューの深さに関連します。
ドライバはハードウェアをリセットし、そのようなイベントから回復しますが、エラー発生時のすべての既存の接続は失われます。通常はこの結果、ユーザーアプリケーションでセグメンテーションフォールトが発生します。また、エラー発生時に opensm を実行している場合は、適切な処理を再開するために opensm を手動で再起動する必要があります。
Desktop Sharing 接続アイコンの場合は、ダブルクリックするとコンテキストメニューが表示されます (右クリックしたときではありません)。他のすべてのアイコンの場合は、右クリックするとコンテキストメニューが表示されます。
( x86 )